緊急通報にご用心

最近、110番に誤発信される件数が増えているようです。いたずら電話ではなく意図せず誤発信されているようです。

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iPhone14がまず原因

初めにニュースで上がったのはiPhoneからの誤発信が多いことでした。それもiPhone14からの誤発信。
その中でも、スキー/スノーボードを楽しんでいる時に誤発信されるというものでした。
原因はiPhone14の新機能で「衝突を検知すると20秒後に緊急電話が自動発信される」というもので、その機能がONの時に例えばスノーボードで転倒すると衝撃を受けて発信されるということでした。

これらの設定についてはAppleのサイトをご覧ください。

なぜこの機能がいるのか

元々この機能は自動車の衝突事故が発生した際に、自動で緊急電話が発信されるようにするものでした。確かに自動車事故で閉じ込められた時や意識をなくした時に自動で緊急電話を発信してくれれば、位置情報も通知先に届きますので非常に便利です。

それが本来の目的以外のところで、それもよくあるところで動作してしまったのが問題になりました。

実はAndroidでも

最近になってAndroidからも110番への誤発信が多いということで長野県警でも注意喚起をしています。Android 12以降の場合、電源ボタンを5回押すと緊急電話が発信されるようになりました。

いらちな人が電源ボタンを5回押してしまうこともあるでしょうが、ポケットに入れておくと意識せずにボタンが押されることがあります。そのような時に発信されているようです。

iPhone 13以前は大丈夫!?

実はiPhone13以前でも気を付ける必要はあります。iPhone7なら電源ボタン5回で緊急通知されますし、iPhone8以降ならば、サイドボタン5回を押すか電源ボタンと音量ボタン(UP/DOWNどちらか)を長押しすると発信されます。iPhoneからの緊急通信についてはこちらをご参照ください。

設定でどうにでもなる

基本的に、これらの機能は有効にするか無効にするか設定できます。誤動作しないようにするには、基本的に機能を無効にする必要があります。

ただ、機能を無効にすると、先にあった交通事故が起こって本当に必要な時に通知されなくなります。
その点の注意は必要です。

なぜ誤動作が起ったのか

それではなぜ誤動作が起ったのかです。これは仕様変更・追加時の考慮不足というべきかと思います。

エンジニアは、これは便利だと思って機能を追加します。確かに機能としては便利です。
それで便利なので、みんなに使ってもらいたいと考えます。そうした時に追加した機能は、デフォルトでONにするようにします。

一方ユーザーは、バージョンアップごとに追加される機能をすべて把握している人などほとんどいません。
よって、その機能があることや、その機能に対する設定があることなので知らないのです。
先のiPhone14の件などその最たるものだともいます。緊急通話機能が欲しくってiPhone14にしたわけではなく、iPhoneの新しいものを所有したいということで利用している方がほとんどです。その方々は衝突感知で緊急発信されることなど全く知らないのです。

ちょっとした配慮

これの解決方法は、メーカ側のちょっとした配慮です。

  • デフォルトをOFFにしておく
  • あらかじめバージョンアップ時等に、重要なものについてはユーザに通知するようにする
  • ユーザの使用シーンを考えて、そこで誤動作が起らないようにする

などの考慮をしておくだけで、問題がかなり減ります。確かに開発期間や工数の問題でなかなか配慮できない場合はあるかと思います。

ただ、今回の誤発信については、それが起ることでどれだけの迷惑になるかを考えられていなかったため起こっていると思います。

ことは緊急通話です。間違って掛けるだけでなく、間違って掛けられることで、最悪本来緊急電話を掛けないといけない人が掛からない状態になるというところまで考えておく必要があると思います。

どこまで考慮するのかは難しいとところがあるとは思いますが、少しの配慮が多くの人を幸せにすることができると思っています。
このような製品の機能もそうですが、人同士も配慮したいと思います。

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